子供が欲しい話

昔から私は結婚願望が人一倍強い。理由は子供が欲しいからである。 
小学校中学年の頃からずっと思っているので、かれこれ15年くらいは子供が欲しいという欲求に駆られて暮らしていることになる。小学生の頃はむしろ、旦那という存在を邪魔臭いと感じていたので、子供を作って産んだ後は旦那に泣きついて離婚をせがんで子供を独り占めしたいとさえ思っていた。そんな私も、今となっては、優しくて面白い大好きな旦那と結婚して子供は2人か3人ほど作って共働きでそこそこ稼いで幸せな家庭を作るのが夢である。 
最近は友人と話す内容が結婚か就職になってきたこともあり、もうその歳になってきたんだなぁと結婚をますます身近に感じるようになってきた。そこで普段から考え事が多い私は、妄想の中で子供を産み、育てるようになった。妄想の中の子供達がなかなか手のかかる子で、子育ての悩みが尽きないのでその一部を聞いていただきたい。 

まずは上の子が小学2年生の8歳の女の子で、下の子は小学校には通っていない6歳の男の子である。最近の悩みというのは、上の子が夜更かしをするようになってたことである。寝る時間が10時や11時なんてこともざらにある。小学2年生が11時まで起きるような時代になったものかとしみじみしていたところ、なんと下の子が上の子の真似をして、一緒に夜更かしをするようになってしまったのだ。目に映る者の真似をするお年頃なのかは知らないが、何にせよ、まだ幼稚園児である下の子には早く寝ていただきたい。これは一刻も早く上の子にも夜更かしをやめてもらわなくてはならないと思った。 
しかし、『夜更かししないで早く寝なさい!!』といったよくある頭ごなしに叱る事はしたくない。相手は1桁の年齢であるとはいえ、感情を持った人間なので、まずはちゃんと話をして、夜更かしの原因を探さなければならないと考えた。 
そこで上の子に、なぜ夜更かししているのか尋ねたところ、YouTubeが面白くて寝れないとのことであった。なるほど、ネットに夢中で寝れないとは現代の闇を見たような気分になった。 
ここでよくある教育は、子供の夜更かしの原因であるYouTubeを禁止することであろう。しかし私は、夜更かしの原因はYouTubeにあるとは到底思えない。悪いのはYouTubeではなく、YouTubeを楽しんで夜更かししてしまう上の子にあるのだ。上の子が『早く寝よう』と自発的に思わなければ、根本的な解決には至らないだろう。 
どうすれば『早く寝よう』と8歳の子供が思ってくれるのか、0に近い子育てに関する知識を絞り出した結果、一つの案を思いついた。 
子供にこう言い聞かせてみるのだ。 
『実はね、YouTubeは夜9時を超えると、お金が高くかかってしまうの。でも、朝6時から見ると、すごく安くなるの。だからこれからYouTubeは、早く寝て早く起きて見ない?』 
これだ。これな気がした。子供には若干苦し紛れの嘘をつくことになるが、生きていればつかなければならない嘘なんて1つか2つはあるものだ。 
この答えを考えた私は、さぞかし安堵した。これで子供たちは早く寝て、次の日の朝早くからYouTubeを見てくれることだろう。結果はどうなるか分からないが、まずはこの作戦を実践してみてから考えようと思う。